失った歯の代わりに働く第2の永久歯
たった1本の歯が痛むことで、楽しみにしていたことに集中できなかったり、1日中気分が重くなったりした経験は、ほとんどの方にあると思います。当たり前のように食事や会話を楽しめるのは、歯が健康に存在してこそ得られることです。
病気やケガなどによって歯を失ってしまうと、この基本的なQOL(生活の質)が大きく損なわれます。見た目が気になって、口を開いて笑うことさえ、気にされる方もいらっしゃいます。
こうした歯の欠損による問題を解決するために、入れ歯やブリッジ、差し歯などの治療が広く行なわれてきましたが、欠損部位周辺の健康な歯を削ったり、留め具を引っかけて負担をかけたり、顎骨がやせてしまうなどといったデメリットがありました。使い心地に違和感をおぼえるケースも少なくありません。
インプラント治療は、こうしたデメリットの少ない優れた方法です。周囲の歯には影響を与えずに、欠損箇所にだけ治療を行ないます。人工歯根と人工歯からなるインプラントは、天然歯の構造と似ているので、見た目はもちろんのこと繊細な噛み応えまで取り戻すことができます。
ご自身の歯とほぼ変わらない使用感を得られるため、インプラントは乳歯、永久歯に続く「第二の永久歯」ともいわれています。
当院のインプラント治療の特長
01
不要なインプラントは
一切行いません
インプラントは優れた治療法ですが、あらゆるケースすべてをインプラントだけで対応するようなことは、当院では行なっていません。不必要なインプラントは、患者さまに負担をおかけすることになってしまうからです。インプラント治療は、あくまで最終手段です。当院ではまず入念に診査・診断を行なって、できるだけ歯を残す方法を検討します。親知らずが残存する場合は自家歯牙移植を、適していると判断できる場合には入れ歯もご提案します。歯周病治療の最新技術や、インプラント治療の豊富な経験があるからこそ、患者さまにより適した治療方法を模索します。
02
高度な技術で
難症例にも対応
歯科CTやマイクロスコープなどの医療機器は的確な診査や診断を支える大切なものですが、治療においてもっとも重要なのは、歯科医師の技術力であることはいうまでもありません。当院では日々進歩する歯科治療の最新研究を吸収し、治療技術のさらなる向上を目指して、研鑽を積んでいます。治療の精度を高めるとともに、同じ病気に対しても患者さまそれぞれにより適した治療法を検討できるよう努めています。技術力を高めることで、歯の移植や歯肉の再生などといった難しい症例にも対応可能です。
03
コミュニケーションを重視
歯科医院を訪れる患者さまの多くは、治療目的や方法、期間、費用について、不安や疑問をお持ちだと思います。そして多くの場合、そうした質問をしづらいのではないでしょうか。患者さまご自身の体について、当然知っておきたい情報を気軽に聞けないというのは、よいことではありません。治療について把握しご納得いただいていない状況で治療を進めることは、予後不良につながりかねません。当院では情報をしっかりお伝えするとともに、患者さまの気持ちに寄り添って、治療にともなう疑問をどんなことでも聞いていただけるような、良好な関係を築くよう努めています。円滑なコミュニケーションで治療効果を高め、安心して受診していただけるよう環境作りを徹底します。
骨が足りない場合の治療
GBR(骨再生誘導法)
GBR骨再生誘導法とは、歯周病や虫歯などによってダメージを受けた骨組織を再生する治療です。歯を支えている歯槽骨は、歯が抜けてしまうと痩せて衰えてきます。インプラント治療を行なうためには、人工歯根を埋入するための歯槽骨の厚みや高さが必要です。歯槽骨が充分にない場合には、インプラント埋入手術の前か同時進行で、GBR法によって歯槽骨を再生させます。
サイナスリフト(ラテラルアプローチ)
サイナスリフトは、上顎の骨の厚みが著しく足りない場合に行なわれる治療です。サイナスとは上顎の内部の空洞(上顎洞)のことを指します。治療では、上顎洞の粘膜をはがして持ち上げ、そこに人工骨か患者さまご自身の骨を移植します。移植した骨が定着すると、インプラントを埋入するのに必要な、骨の高さや厚みを確保できます。ソケットリフトよりも痛みや腫れが出やすい難しい治療法ですが、手術中の全身管理をしっかり行ない、感染予防も徹底した環境でリスク低減に尽力しています。
ソケットリフト(クレスタルアプローチ)
ソケットリフトも、骨量が足りない場合に行われる治療ですが、サイナスリフトよりも患者さまの体の負担が少ないのがポイントです。
ソケットリフトでは、上顎洞を開けるなどといった大掛かりなことはせず、インプラントを埋入するために開けた穴から骨補填材を入れて、上顎洞底の粘膜を押し上げます。粘膜を押し上げて骨補填材が詰まった分、骨の厚みを確保することができます。骨の移植と同時にインプラントを入れることができるため、治療期間を短縮でき、体への負担も最小限で済みます。
手術に不安や恐怖心がある方へ
静脈内鎮静法
インプラントを埋めるための骨が足りない場合に行なう治療は、外科手術をともないます。治療に不安や恐怖をお持ちになる方も多いと思いますが、当院では患者さまに少しでもリラックスして受けていただくために「静脈内鎮静法」を実施しています。通常の局所麻酔だけでは、痛みを感じなくても歯や骨を削る感覚が伝わって、ストレスを感じさせていました。静脈内鎮静法では、鎮静薬を点滴で血管に入れます。眠っているような状態になるので、いつの間にか手術が終わっていた、というふうに感じられます。当院では、全身麻酔に匹敵する全身管理のもと、安全に静脈内鎮静法を取り入れ手術を行ないます。
インプラント治療のよくある質問
インプラント治療に年齢制限はありますか。
年齢制限はありません。顎骨の成長がほぼ終了する20代前半ごろから、医学的条件を満たす方であれば、何歳でもインプラント治療を実施ことができます。
インプラント手術による痛みや腫れはありますか。
インプラント手術は局所麻酔をするので、手術中に痛みを感じることはありません。
麻酔が切れてからは、縫合した部分が痛んだり腫れたりすることもありますが、通常はすぐにおさまります。
手術後の手入れはどうすればよいですか。
インプラントの寿命は、術後のお手入れが行き届いているかどうかで大きく変わってきます。例えば毎日の歯磨きも、歯ブラシだけではなく、歯間ブラシなどの補助的な清掃用具を使用することで、より清掃度を上げることができます。定期的な歯科医院での検診も大切です。チェックとメンテナンスを定期的に行うことで、異変が生じても初期段階で対処できます。セルフケアに改善すべき点があれば、それに関するアドバイスもさせていただきます。インプラント手術後のお手入れは、適切な毎日のセルフケアと歯科医院のサポートの両輪で進めていきましょう。
インプラント治療の費用はどのくらいかかりますか。
インプラントの埋入本数や、人工歯の種類、患者さまの口内の状態によって費用はかわってきます。またインプラント治療は、保険適用外の自費診察です。診断結果から治療計画を立てる際に、費用についても詳細をご説明したうえで、必ず患者さまがご納得されてから治療を開始するのでご安心ください。不明な点は、治療前に何でも気兼ねなくご質問ください。
治療期間はどのくらいですか。
1回法の場合は手術開始から下顎で3ヶ月、上顎で4ヶ月で歯が入ります。条件にもよりますが、歯を抜くと同時にインプラントを埋入し、その日に歯を入れることも可能です。2回法の場合(骨を作る手術をする場合)は、顎骨に埋め込んだインプラントと骨がしっかり結合するまで、最低6ヵ月程度かかります。骨とインプラントが結合したら、再び歯肉を切開してインプラントの頭を出す手術を行ないます。その治癒を約4週間待ってから、上部構造を取り付ける処置をする期間が約2週間ほどあります。
インプラント手術は入院して行なうのですか。
インプラントの埋入手術は、通常入院の必要はありません。 局所麻酔を使用するので、手術当日にご帰宅いただけます。
自分の歯と同じように噛めるのでしょうか。
インプラントは、天然歯が生えているのと同じように、人工歯根を顎骨に埋め込みます。しっかりと顎骨と結合するので、自分の歯と変わらない噛み心地が得られます。
インプラントはどのくらいの期間もちますか。
インプラントはチタン製です。非常に丈夫で生体親和性の高い金属なので、定期的に検診をお受けいただき、毎日適切にお手入れしていただければ、長期間ご使用になれます。
当院は痛くない歯科治療を
目指しています。
歯科治療には「痛い」というイメージが先行しがちです。
痛みとその恐怖のストレスで体がこわばると、より痛みを感じやすくなります。
当院では痛くない治療を目指して、麻酔にもこだわっています。安心して受診ください。
痛くない麻酔の秘密
表面麻酔を塗布
麻酔針が刺さるときの痛みを感じさせないように、まずは歯肉に表面麻酔を必ず塗布して感覚を麻痺させます。
極細の麻酔針を使用
通常よりも極細の麻酔針を用いて、できるだけ痛点を刺激せず、痛みを発生させないように麻酔を行ないます。
麻酔薬の温度調節
使用する麻酔薬をあらかじめ人間の体温程度に温めることで、温度差による痛みのリスクを低減させています。
電動麻酔器を使用
麻酔針の注入スピードをコントロールし、無駄な圧力で発生する痛みを抑えた電動麻酔器を使用しています。