これからは治療（キュア）ではなく予防（ケア）の時代です
これまでの歯科治療は、虫歯をどう治すか、歯並びの不具合をどう改善するかなど、口内で既に発生している問題の解決に取り組んできました。しかし治療とはいえ、削ったり抜いてしまったりした歯は、完全に元の状態に戻すことはできません。患者さまの元々の歯を維持し、健康を保ち続けることが、これからの歯科治療に求められている使命だと、当院では考えています。
高齢になっても自身の歯を維持する割合の高い欧米諸国では、虫歯などにならない口内環境作りのために、定期的な歯のケアが広く行なわれています。全身の健康診断と同じように、歯の健康管理にも定期的なチェックを取り入れて、将来を見据えた虫歯を作らない予防プログラムを実践しましょう。
治療内容
ブラッシングサポート
虫歯や歯周病の直接的な原因となるのは、プラーク（歯垢）です。このプラークを口内で増殖させないために、最も重要なのは毎日の歯磨きによる「セルフケア・プラークコントロール」です。
歯磨きは誰でもできる簡単なことですが、歯垢の除去率を上げるためには、年齢・歯並び・歯の修復状況などによって歯ブラシの種類をかえたり、磨き方を工夫する必要があります。
患者さまそれぞれの歯並びによっても、磨き残しやすい箇所はかわってきます。当院では患者さまに合った歯磨き法をお伝えし、しっかりご自身でプラークコントロールできるようにブラッシングサポートを行なっています。
PMTC
PMTC（Professional Mechanical Tooth Cleaning）とは、歯科医や歯科衛生士といったプロによる専門的な器具を用いた歯のクリーニングです。日頃の歯磨きだけでは、どうしても完全に取り除きにくい歯にこびり付いたバイオフィルム（膜状の細菌の塊）を、徹底的に清掃します。
歯や歯肉の汚れを専用の器具で丁寧に除去するので、予防効果が高いだけでなく、多くの方が気持ちよく感じられる治療です。
シーラント法
シーラントとは、フッ素を配合した樹脂で歯の溝を埋めて、虫歯を予防する方法です。歯の溝に歯垢がたまりにくくなり、歯磨きもしやすくなります。とくに虫歯になりやすい、6歳頃に生えかわる「6歳臼歯」には効果的です。歯を削ることのない治療なので、お子さまにも痛みや恐怖感を与えることなく、安全に処置できます。
フッ素法
フッ素は、歯の再石灰化を促すことで歯質を強化し、細菌の活動も抑制することで虫歯になりにくくする働きがあります。
当院で用いているのは、0.4％フッ化第一スズ、0.2％フッ化ナトリウム、2％フッ化ナトリウムなどの薬剤です。これらをイオン導入法・塗布法・洗口法・3DS法・シーラント法など、患者さまそれぞれに合った方法で使い分け、虫歯の予防処置を行なっています。
